【大気測定】オルザット操作方法 図解で簡単に説明

備忘録日記

前回の記事の後、オルザット装置を実際に使用する機会がありました。操作手順を覚える段階で、具体的なイメージを掴みにくかったため、イラスト付きで手順を整理した記事を作成しました。

1.吸収瓶の標線合わせ

(1)吸収瓶の①二方コックを閉じた状態で②三方コックを系外側へ開き、③水準瓶を持ち上げて中の空気を追い出します。

(2)①ガスビュレット内の液面上げ、②三方コックを閉じます。吸収瓶の③二方コックを開き、④水準瓶を持ち下げます

(3)吸収液を標線に合わせ吸収瓶の①二方コックを閉じます。

標線合わせのコツ

標線付近の細い管では、水準瓶を少し持ち上げるだけで液面が急激に上昇し、逆流する恐れがあります。そこで標線を合わせるコツとして、①吸収瓶のくびれ部で一度液面を止め、②オルザット装置の箱壁面に水準瓶を軽く押し当て持ち手の揺れを抑えます。③押し当てた状態のままゆっくり水準瓶を持ち下げると標線に合わせやすいです。

2.試料ガスの共洗い操作

(1)試料ガスを採取した①捕集バッグ(先端にクリップを付けたまま)を取り付けて、系外に排出されるように②三方コックを開き、③水準瓶を持ち上げて中の空気を追い出します。

(2)ガスビュレットの液面(封液)が8~9割程度になったら①クリップを外します。試料ガスを吸引できるように②三方コックを開き、③水準瓶を持ち下げます。

(3)ガスビュレットの液面(封液)が目盛り0付近になったら、①同時操作三方コックを排出側へ開き水準瓶を持ち下げます)を行います。

(4)(2)操作(②からと(3)操作を3回くらい繰り返します。

(5)ガスビュレットの標線まで水準瓶を持ち上げます。

3.試料ガスの採取

(1)試料ガス側に①三方コックを開き、②水準瓶を持ち下げて試料ガスを100ml採取します。

(2)ガスビュレットの液面を①目盛り0に合わせて、②捕集バッグのコックと③三方コックを閉じます。

4.吸収液との反応操作

(1)吸収瓶の①二方コックを開き、②水準瓶を持ち上げて試料ガスと吸収液を接触させます。

(2)吸収瓶の液面が1割程度水準瓶を持ち下げます。

(3)吸収瓶の液面が9割程度水準瓶を持ち下げます。

(4)(2)操作と(3)操作を数十回繰り返します。

(5)吸収瓶の液面を①標線に合わせ、吸収瓶の②二方コックを閉じます。ガスビュレットと水準瓶の③封液面を揃えて、ガスビュレットの④目盛りを読み取ります。

(6)目盛りの読み取り値が変化しなくなるまで、(1)~(5)の操作を行います。

(7)他に吸収瓶がある場合は、対象の吸収瓶を使って(1)~(6)の操作を行います。

まとめ

オルザット操作を大きくまとめると、

①吸収瓶の液を標線に合わせる。

②試料ガスで装置内を共洗いする。

③試料ガスを100ml採取する。

④吸収液と試料ガスを反応させる。

⑤反応量を読み取る。

オルザット装置の操作では、油断すると吸収液や封液が逆流し、配管を汚してしまうことがあります。本記事のイラスト付き解説が、操作のイメージを掴み、安心して作業できる環境づくりの一助となれば幸いです。

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