大気測定 オルザットとは?

備忘録日記

こんにちは。

最近、大気関係の仕事に携わる機会が増えたため、学びを整理する目的で備忘録日記というカテゴリーを作成しました。

本記事では、オルザットガス分析について基本的な情報をまとめます。

オルザットガス分析とは

排ガス中の二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、酸素(O2)などの濃度を簡易的に測定できる装置です。

各ガスは特定の吸収液に取り込まれ、その過程でビュレット内のガス圧が変化します。この圧力変化を利用して、各ガスの濃度を求めます。

装置の構造

簡単に必要な部分だけ抜粋すると、ガスビュレット、水準瓶、吸収瓶です。

ガスビュレット:水準瓶とゴム管で連結された試料ガス定量用の体積計です。
水準瓶:上下に持ち上げて、ガスビュレットに液を行き来することでガスを採取する役割です。
吸収瓶:測定対象物質を選択的に吸収されるための瓶です。※厳密には瓶ではありませんが、簡易的な説明のため瓶にしております。

各吸収液の試薬の意味

オルザットでは試料ガスの漏れを防ぐと同時に測定環境を安定させるために封液というものが使用されています。

赤い部分が封液です
封液(水200 mlに塩化ナトリウムを44 g、塩酸(2+98)2 mlにメチルオレンジ溶液)

塩化ナトリウム:塩析効果で揮発性物質を水中から追い出すことで封液からガスの発生を抑える。
塩酸:pHを低くすることで、炭酸の形で二酸化炭素の溶け込みを防止している。
メチルオレンジ:pHの指示薬。酸性であることの視覚化。

二酸化炭素吸収液(水200 mlに水酸化カリウム60 g)

pHが高いと二酸化炭素が吸収されやすいため、水酸化カリウムを添加している。

酸素吸収液(水100 mlに水酸化カリウム60 g + 水100mlにピロガロール12g)

ピロガロールはアルカリ性の環境下で酸素を効果的に吸収する性質を持っています。

操作について

試料ガスの厳密なサンプリング操作は、JIS K 0301に記されているため、ここでは基本的な操作の意味について説明します。

ガスの吸引・排出操作

水準瓶を持って上下に動かすと、ガスビュレットと水準瓶の間を封液が行き来します。この封液の動作がガスの吸引や排出の役割になります。

ガス吸引操作
ガス排出操作

測定操作ですが、まず試料ガスをビュレット内に導入し、その後、測定したい成分を吸収液に送り込むため、試料ガス導入弁と吸収瓶の弁を切り替えて、ガスを吸収液に導きます。

試料ガスを吸引
吸収液に導入

測定値の読み取りについて

試料ガスを吸収液に反応させる前後で、ガスビュレット内の気体体積の変化を測定します。封液の液面を揃えた際の体積差が、吸収されたガスの量を示します。

吸収液反応前の測り取り
吸収液反応後の封液の変化及び測り取り

これは例えば二酸化炭素を吸収した場合、試料ガスの二酸化炭素ガスの体積分だけ消えるため、内圧が下がって封液が膨張する仕組みです(まだ減った圧力分=体積が理解できてないため、詳しい説明はできません。)。

まとめ

オルザットガス分析装置は、ガスビュレットと水準瓶を用いて試料ガスをサンプリングし、特定の吸収液を使って二酸化炭素や酸素の濃度を測定する装置です。測定原理は、試料ガスが吸収液と反応することでビュレット内のガス体積が変化し、その体積差から濃度を求める仕組みです。

ガスビュレットと水準瓶はゴムホースで接続されており、内部に封液が入っています。水準瓶を上下に動かすことで試料ガスをサンプリングします。

試料ガスと吸収液の反応前後で封液液面を揃えるのは、反応後に減った試料ガス分だけ内圧が下がり液が膨張するためです。

私がオルザットを初見で操作手順の説明を受けて全く理解できなかった部分です。まだ大気測定は駆け出しのため、経験を積んで説明不足な部分は今後、再度記事にできればと思います。
以上、備忘録のでした。

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